第18回 ソフトウェア工学の基礎ワークショップ

FOSE 2011 in 浅虫温泉

基調講演

講演者
大和 正武(レッドハット株式会社)

講演題目
「ソースコード天国」実現に向けて

概要
 ソースコード読解の練達者個人あるいはチームが能力を自在に発揮できる環境「ソースコード天国」の実現を目指している.その第一歩として「読む可能性のあるソースコードを全て,前もってファイルシステムに整頓して配置しておき,ファイルシステムを利用者間で共有する」という方法(ソースコード事前配置法) を考え,それを勤務先及び顧客部署に実装した.7 年間の利用を通して(1) ソースコードの入手待ち時間によって読解者の集中力が削がれることがなく,(2) 読解補助ツールを効率良く活用でき,(3) 共同作業者へ円滑に読解箇所を伝えることができる,という効果があることを確認した.


講演原稿:PDFファイル
(出典:大和正武, 「ソースコード天国」実現に向けて, ソフトウェア工学の基礎XVIII 日本ソフトウェア科学会FOSE 2011,pp.1-10,近代科学社,Nov. 2011)
本稿は,近代科学社のご厚意により,本Webサイトにて公開しております.

プログラム

11月24日(木)

第1会場 第2会場
13:30~14:05 受付
14:05~14:15 オープニング
14:15~15:30 基調講演
  • 「ソースコード天国」実現に向けて
    大和 正武(レッドハット株式会社)
15:30~15:45 休息
15:45~17:15 <フルペーパー>開発環境とツール
 セッションチェア:名倉正剛(日立製作所)
  • SMTベースのCOPデバッグ支援
    内尾 静,○鵜林尚靖,亀井靖高(九州大学)
  • コンパイル方式によるXQuery問い合わせプログラム生成方法
    ○蜂巣吉成,野呂昌満,沢田篤史,張 漢明,吉田 敦(南山大学)
  • 実行時エラー時に変数の推移情報を表示するJava仮想マシンの提案
    ○星 孝一郎,山本哲男,杉山安洋(日本大学)
17:15~17:30 休息
17:30~18:30 <フルペーパー>開発プロセス支援
 セッションチェア:柗本真佑(神戸大学)
  • 差分シナリオに基づくシナリオ検索手法
    吉田裕作,大西 淳(立命館大学)
  • Ajaxアプリケーションを対象としたラウンドトリップエンジニアリング支援手法
    ○林 千博(慶應義塾大学),名倉正剛(株式会社 日立製作所),高田眞吾(慶應義塾大学)
18:30~21:00 休息・夕食
21:00~23:00 ナイトセッション

11月25日(金)

第1会場 第2会場
09:00~10:30 <フルペーパー>開発プロセスの理解
 セッションチェア:阿萬裕久(愛媛大学)
  • ソースコード編集履歴のリファクタリング手法
    ○林 晋平(東京工業大学),大森隆行(立命館大学),善明晃由(東京工業大学),丸山勝久(立命館大学),佐伯元司(東京工業大学)
  • ソースコード差分のレビューにおけるレビューアの理解度の実験的評価
    ○田口雅裕(奈良先端大学),森崎修司(静岡大学),松本健一(奈良先端大学)
  • OSS開発におけるコミッター選出のための開発者の活動量に関する実証的分析
    伊原彰紀,藤田将司,○大平雅雄,松本健一(奈良先端大学)
10:30~10:45 休息
10:45~12:05 <ショートペーパー>モデリング手法
 セッションチェア:小林隆志(名古屋大学)
  • 統一ソーシャルグラフモデルの提案とSNSへの適用評価
    ○青山幹雄,横井公紀(南山大学)
  • ソフトウェアモデル間のスケーラブルな整合化戦略について
    ○岸 知二(早稲田大学)
  • 組込みシステムのリソースモデルからUPPAAL時間オートマトンへの変換手法
    小野康一,○河原 亮,中村健太,坂本佳史,中田武男(日本アイ・ビー・エム 株式会社)
  • モデル検査のためのオブジェクト制約言語を用いた外部環境モデルの構築のための考察
    ○吉池弘樹,本田耕三,中川博之,田原康之,大須賀昭彦(電気通信大学)
<ショートペーパー>実装技術
 セッションチェア:権藤克彦(東京工業大学)
  • 動的なWebコンテンツを考慮したアスペクト指向言語の設計と実装
    ○永島康平(慶應義塾大学),福田浩章(芝浦工業大学),山本喜一(慶應義塾大学)
  • プログラム理解支援を目的とした編集操作スライスとその再生
    ○丸山勝久,木津栄二郎,大森隆行(立命館大学),林 晋平(東京工業大学)
  • スタンドアロンソフトウェアを発展させた分散システムにおけるオブジェクト配置制御法
    ○神田翔太,山本哲男,杉山安洋(日本大学)
  • ミラーリング可能な分散オブジェクトシステムの重複メソッド呼び出し問題とその解決法
    ○山ノ内 健,山本哲男,杉山安洋(日本大学)
12:05~13:15 昼食
13:15~14:35 <ショートペーパー>モデル検査・設計支援手法
 セッションチェア:小野康一(日本IBM)
  • 非機能特性を考慮した自己適応システムの動的再構成手法の提案
    ○堀越永幸,中川博之,田原康之,大須賀昭彦(電気通信大学)
  • 情報制御システム記述言語による列車運行制御モデルの記述と検証
    ○小飼 敬(茨城工専),小山恭平,上田賀一(茨城大学),高橋勇喜,武澤隆之,中野利彦(株式会社 日立製作所)
  • 時間論理で記述された仕様からのプログラム自動抽出による組み込みシステム構成手法
    ○新井貴大,島川昌也,萩原茂樹,米崎直樹(東京工業大学)
  • Support for Generating UML Class Diagrams and OCL Constraints from KAOS Model
    ○Sombat Chanvilai, Kozo Honda, Hiroyuki Nakagawa, Yasuyuki Tahara, Akihiko Ohsuga(Univ. Electro-Communications)
<ショートペーパー>テストと保守
 セッションチェア:丸山勝久(立命館大学)
  • 呼び出し関係を用いた単体テストおよび静的検査の可視化手法の改善とその評価
    ○武藤祐子,岡野浩三,楠本真二(大阪大学)
  • 業務アプリケーションの結合テストでの回帰テスト選択手法
    ○前田芳晴,上村 学,松尾昭彦(富士通研究所),木村茂樹(富士通 株式会社)
  • 保守性向上へ向けた設計モデルとソースコード間のトレーサビリティ解析
    ○伊藤弘毅,志水理哉(早稲田大学),田邉浩之,波木理恵子(株式会社 オージス総研),鷲崎弘宜,深澤良彰(早稲田大学)
  • 設計段階における抽象度を考慮したソフトウェアの保守性評価枠組み
    ○志水理哉,伊藤弘毅(早稲田大学),田邉浩之,波木理恵子(株式会社 オージス総研),鷲崎弘宜,深澤良彰(早稲田大学)
14:35~14:50 休息
14:50~15:50 <フルペーパー>ソフトウェア品質と制約充足問題
 セッションチェア:田原康之(電気通信大学)
  • Minimal Unsatisfiable Core列挙によるプログラムの準最弱な事前条件推定
    ○今井健男,酒井政裕(株式会社 東芝),萩谷昌己(東京大学)
  • 論理的制約条件付き0-1計画問題として定式化した重点レビュー対象モジュールの選択
    ○阿萬裕久(愛媛大学)
15:50~16:05 休息
16:05~17:10 ライブ論文・ポスター発表
ライブ論文
  • プロジェクトの可視化に基づくPBL指導支援
    ○福安直樹(和歌山大学),佐伯幸郎(高知工科大学),水谷泰治(大阪工業大学)
  • モデル検査技術を用いた性能最適化手法の提案
    ○長野岳彦(株式会社 日立製作所),吉岡信和(国立情報学研究所)
  • GPUを利用したポインタ解析の実装と評価
    深谷敏邦,権藤克彦(東京工業大学)
ポスター発表
  • ソフトウェア開発データの分析に基づくエンジニアリング研究の推進 ~収集データの活用に向けたIPA/SECの取組み~
    山下博之(IPA-SEC)
  • レガシーシステムの運用保守効率化を目的としたリバースエンジニアリングによる設計書生成ツールの実装
    藤浦祥雅,坂田 祐司 (NTTデータ)
  • UML MARTEモデルの性能検証におけるアスペクト指向技術の適用
    中尾早苗(株式会社 日立製作所)
  • 不具合検出行動の時系列に着目したデバッグ方法の比較
    西口絢人,上野秀剛(奈良高専)
  • PBLのコミュニケーション分析
    廣重法道(九州大学)
  • 実行時間制約を満たすためのCPU資源制御フレームワーク
    鈴木康文,小川秀人(株式会社 日立製作所)
  • レター論文に投稿しよう
    権藤克彦(東京工業大学)
  • ソフトウェア工学勉強会への誘い
    林 晋平(東京工業大学),小林隆志(名古屋大学)
  • CodeForest: ソフトウェア構造・特性・依存・履歴の効果的な視覚化
    轟 大樹(立命館大学)
  • WebサービスのためのWeb API設計パターンの提案
    山崎礼華,伊藤 恵,奥野拓(はこだて未来大学)
  • TaskPit: ソフトウェア開発行動記録システム
    門田暁人(奈良先端大学)
  • イベントハンドラを使用したWebアプリケーションの動作検証
    佐藤隆広,伊藤 恵,奥野拓(はこだて未来大学)
  • モデル検査のためのオブジェクト制約言語を用いた外部環境モデルの構築の実験
    Hiroki Yoshiike, Kozo Honda, Hiroyuki Nakagawa(Univ. Electro-Communications)
  • 要件定義のためのAHP評価基準決定における合意済みモデルの適用
    清水伸晋,伊藤 恵,奥野拓(はこだて未来大学)
  • 分散ペアプログラミングにおける手書き注釈を用いたコラボレーション機能の提案
    秀毛嶺維馬,伊藤 恵,奥野拓(はこだて未来大学)
  • DITA適用のためのソフトウェアドキュメントの構造化
    坂井麻里恵,伊藤 恵,奥野拓(はこだて未来大学)
17:10~17:20 休息
17:20~18:30 デモ&ポスター展示
18:30~21:00 休息・夕食
21:00~23:00 ナイトセッション

11月26日(土)

第1会場 第2会場
09:30~10:50 <ショートペーパー>要求仕様と設計
 セッションチェア:福田浩章(芝浦工業大学)
  • 組込みシステムのアーキテクチャー検討における非機能要求の評価に適したモデル変換手法
    ○河原 亮(日本アイ・ビー・エム 株式会社),岡林弘嗣,久住憲嗣(九州大学),小野康一,中田武男,坂本佳史,長野 正(日本アイ・ビー・エム 株式会社),中西恒夫,福田 晃(九州大学)
  • 出現単語の上位語,下位語を用いたソフトウェアドキュメントの抽象度定量化
    ○森崎修司(静岡大学)
  • 設計・実装視点からの要求分析モデルの品質評価を目的としたシステム開発実験
    ○小形真平,松浦佐江子(芝浦工業大学)
  • ユーザ・ベンダによるソフトウェア要件合意形成プロセスにおけるユーザ発言の自動分類
    ○戸田航史,松本健一(奈良先端大学),吉田 誠,井手直子(東芝ソリューション 株式会社)
<ショートペーパー>開発データ分析とサービス化
 セッションチェア:鷲崎弘宜(早稲田大学)
  • リポジトリマイニング技術共有のためのサービス指向フレームワーク
    ○柗本真佑,中村匡秀(神戸大学)
  • 不具合管理パターンが不具合修正に与える影響の分析
    ○大平雅雄,大澤直哉(奈良先端大学),アハマドハッサン(Queen's Univ.),松本健一(奈良先端大学)
  • プログラム解析技術のサービス化の試み
    ○桑原寛明(立命館大学),渥美紀寿(名古屋大学),山本晋一郎(愛媛県立大学)
  • カスタムソフトの価格妥当性確認に向けた分析
    ○角田雅照,松本健一(奈良先端大学),大岩佐和子,押野智樹(財団法人 経済調査会)
11:10~11:30 クロージング